top of page

影 / Shadow

 

泣いている影に 誰が 気づけるというの

夜がおりてくる ろうそくの火が ゆれる
なつかしい影絵

そこに わたし は、いない。

おどる おどる わたしは たかく踵を打ち鳴らす
黒い 黒い 孤独と 足を揃えて舞いおどる

冷たい吐息に 細い煙が ゆれる
溶けていく影絵

そこに あなた が、いない。

まわる まわる 時計が 馳せる 想いが からまわる
とおい とおい あの日の 色を形を追いかける

おどる おどる わたしが 影が あなたを すりぬける
まわる まわる 時間が 指の間から 零れ落ちる

誰にも触れられない
わたし が、ここにいない。


誰もいない
ちぎれた影が泣いている
 

 

 

bottom of page